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07. November 09

【特撮】 「ゲル長官VSミンス軍団」(作者不詳)

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 特撮業界界隈で仕事をしているクリエイターの知人から,このようなものを頂いた。この知人の作品かと思ったらそうではなく,ネットの掲示板で拾ったものであるという。出典は,2ちゃんねる「NHK予算委員会代表質問実況スレッド」となっている。
 出典からもわかるように,これは4日に国会で行われた予算委員会の代表質問のキャプチャに加工を加えたコラージュ作品である。代表質問者に対して連日騒がしいヤジを飛ばすミンス党(民主党の愛称のようなものだ)に対し,そのヤジを手で一瞬にして制したゲル長官(石破茂さん)の様子が描かれている。実際の画像は予算委員会の代表質問の一コマであるが,ここに作者の秀逸な加工が入り,実に面白い絵が出来上がっている。(タイトルは,原作をリスペクトして私が勝手につけさせていただいた)

 かつてこのような,既存の写真,芸術作品,商業広告などに加工を加えて数々の名作を制作していたのがパロディ作家のマッド・アマノである。マッド・アマノの標的となるものは,何も時の権力だけではなく,企業の商業広告に対してもやりたい放題である。その中で,作品集『SOS』に収録された作品が,写真家・白川義員から「著作権侵害」で訴えられた事件はあまりにも有名である。
 この作品は,白川義員が撮影したアルプスを滑降するスキーヤーの写真に加工が加えられたもので,スキーヤーの後ろからブリジストンのタイヤが転がり落ちてくる,というものである。これに対して白川義員は,自分の芸術作品が侵害されたと怒ったわけである。このようなことはパロディ作家には避けて通ることはできない。

 一流のパロディとは,ただ単に対象を面白おかしく揶揄するだけではなく,そこに新たな批評性を持たせる行為である。そういう意味で,この「ゲル長官VSミンス軍団」は実に情況を良く表しているのである。
 先ごろわが国に誕生した新政権は,巷では「学級崩壊内閣」,「ブーメラン内閣」,「余命一カ月の内閣」(大ヒット上映中!)などと揶揄されて,国民からは連日笑い物になっている。これではあまりにもかわいそうなので,私の方からは,「鳩山特撮内閣」という誉ある称号を特別に与えてあげることにしたので,閣僚諸君もありがたく思っていただきたい次第である。
 「特撮内閣」の命名の根拠だが,閣僚の皆さんの面々が,昭和に華やいだアニメ,特撮ヒーロー番組に登場する華麗なる悪の首領スターたちと相似形だからである。例えば,岡田外相は『仮面ライダーX』に登場するGOD怪人コウモリフランケンやヒトデヒットラーにそっくりだし,小沢幹事長はボラー連邦(『宇宙戦艦ヤマト-3』)のベムラーゼ首相みたいだ。そして菅副総理の進める「国家戦略室」などは,さながら「地球防衛軍」か「ウルトラ警備隊」の発想であろう。
 しかし考えてみれば,怪人キノコモルグの培養液みたいな自民党旧田中派と旧社会党の“出汁”で生成されたキメラ軍団・ミンス党なのだから,この独特のクサヤの様な昭和風味の醗酵臭は癖になる人にはたまらないのであろう。
 このような背景があるからこそ,上のパロディ作品が一層の批評性を帯びてくるのである。議場一塁側から飛んでくる騒々しいヤジを制したゲル長官の手からは,何やら光線が発射され,ミンス軍団を一瞬にして殲滅している構図に見える。またもう1点の方の作品は,RPGの呪術師のような魔法陣で,ミンス軍団の攻撃を封印するゲル長官の構図に見える。そして双方とも,ゲル長官の攻撃をかわすように上体を斜めにしている松原仁さんが,これまた良い味を出しているのだ。ここに松原仁さんがいるといないとでは,まったく印象が異なる。これを見る限り,この人はまったくもって役者みたいな人だ。

 それにしてもミンス軍団のヤジはただ騒々しいだけである。マッド・アマノのようなパロディ精神もなければユーモアもない。ここで提案だが,ヤジ要員のミンス・ユーゲントならぬ,ミンス軍団私設応援団諸君は,ぜひとも阪神甲子園球場の一塁側外野席に行って,そこで一流のヤジについて勉強してきてもらいたい。ここに行けば,ヤジだけではなく,人間の様々な人生模様も体験できる。特に政経塾出身のユーゲント諸君にはこれが絶対に必要だ。極右虎党の私から申し上げて,今のミンス私設応援団には,残念ながら“猛虎魂”を感じないのだ。
 そしてこんなミンス軍団を笑い物にしている国民もまた,実はそんなに笑う資格はなかったりする。この政権を誕生させてしまったのは今笑って見ている国民である。この人たちの中には,自分が期待していた政策が行われずに,“こんなはずじゃなかった”と怒っている人たちもいるだろう。しかし人前ではけして“実はこの前の選挙で1票入れました”とは言えない。だからひたすら苦笑するしかない。言うなれば,「自民にお灸をすえたつもりが,自分が大やけどをしたでこざる」の巻,といったところである。これは小泉さんが言っていた「自己責任」だ。これが4年の歳月をかけて,まさに往年の今中のスローカーブみたいにブーメランとなって戻ってきたのである。
 しかしこういう人たちは,おそらく来年の夏頃には今までの事はすっかり無かったことにして,こう言うに違いない。

 「ジミン最高や! ミンスなんて最初からいらんかったんやー」

 だがちょっと待ってほしい。この陽気なご都合主義が,時としてあの阪神暗黒時代を招くきっかけを作ったことを我々は忘れてはいないだろうか。

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