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18. Juni 09

【アート】 銀座 Bar Kajimaで詩人・加島祥造さんの作品を展示中(6月27日まで)

 銀座のBarに1人で入るのは,なかなか敷居が高いと思われがちである。しかし,銀座・京橋界隈の画廊に寄った帰りに,たまには芸術談義もいいだろうと思った時に気軽に足を運べるのが,首都高ガート下のコリドー街界隈の路地に入ったところにたたずんでいるBar Kajimaである。
 ここでは現在,詩人で英米文学者の加島祥造さんの作品展が開かれている。
 Bar Kajimaは,カウンター席と,奥に明るめの照明がほどこされたギャラリースペースが設けられたギャラリー・バーだ。カウンター席にこしかけて,たまたま居合わせた隣の客と芸術談義をするも良し。作品をじっくり鑑賞したければ,奥のギャラリースペースでくつろげばいいのである。
 午後6時から開店するこのBarは,作品だけを見に訪れる客もいるが,他の客たちが楽しそうに歓談していたりすると,ついつい自分たちもカウンター席へとこしかけたくなってしまうようだ。私が訪れたこの日も,最初は加島さんの作品だけを見にくるはずだった客が,知らない間に私の隣の席に座っていた。

 英米経由のBarやPubの文化と日本の居酒屋の「赤ちょうちん」文化との大きな違いは,会社帰りのサラリーマンやOLたち,あるいは学生サークルの憩いの場である「赤ちょうちん」が,多分に仕事が終わっても会社やサークルでの上下関係を引きずっているのに対して,BarやPubの場合は,経歴や帰属も分からぬような隣の見知らぬ客とも対等の立場で共通の話題を探しながら気軽に会話ができることであろうか。ことにBar Kajimaのような,いわゆる昔でいうところの画檀的雰囲気のBarならば,集まる客もそれなりの客であり,銀座や京橋界隈でギャラリー巡りをした後に,1時間でも2時間でも隣の客と芸術談義ができるのが楽しいところである。
 BarやPubの文化は,もともとはドイツの社会学者ハーバーマスの「公共圏」論(独=Öffentlichkeit,英=Public sphere)に端を発している。ハーバーマスがここで語っている“パブリック”の精神が,後のパブリシティーやパブ・ハウスに継承されていった。
 また近年,ネットメディアの中で黎明期を迎えつつあるブログや「2ちゃんねる」のようなネット上の巨大掲示板は,ハーバーマスの「公共圏」論を源流としたパブリック・ジャーナリズムの形成にも一役かっている。それは,既存のマスメディアが編集権を振りかざし,情報のベーシック・バリューをコントロールしているのに対し,市民メディアたるネット上のパブリック・ジャーナリズムは,あらゆるニュースがメディア上で並列化されていき,そのニュースの受け手が膨大な情報の中から取捨選択することで,メディア・リテラシーを獲得していくことが求められるのである。
 銀座のBarが敷居が高いと言われるのは,何もその料金や雰囲気だけではなく,社会における相対評価(つまりは学歴,経歴,職業,身分,肩書きなど)でしか自分のアイデンティティーや価値を見いだせない人間は,最初からお断りということだ。ここの敷居をまたぐ時は,背広に付けた社章や議員バッチなどをお取り下さいということである。

 Bar Kajimaでの楽しみは,もちろんBar店内に展示されている芸術作品を鑑賞したり,マスターや隣の客と芸術談義に花を咲かせることにもあるが,それだけではなく,料理やお酒も実に美味しい。私のお勧めはなんと言っても,サワー種で焼かれたドイツの黒パンである。これにいろいろなチーズを乗せて食べるのだが,これは病みつきになる。このしっとりとした湿り気のある黒パンには,ビールもワインも相性がいい。他にも,じっくりと煮込んだ鶏牛蒡や季節の素材を使ったマスター手製のジビエ料理も楽しめる。

Bar_kajima1
カシスビール(700円)


Bar_kajima2
黒パンとチーズ(900円)


■加島祥造展 「伊那谷からバリへ」
2009年6月8日(月)~27日(土)
場所: 銀座コリドー街 Bar Kajima
    中央区銀座7-2-20 山城ビル2階
    電話 03-3574-8720
時間: 月曜~金曜(18:00~24:00)
    日曜日(15:00~21:00)

■加島祥造トークショー
2009年6月20日(土)
場所: 文化クイントサロン
    渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル2階
時間: 15:00~16:00
料金: 1500円
【申し込み】先着100名
はがきに「加島祥造お話の会参加希望」と明記し,住所,氏名,電話番号を書いて『銀花』編集部までお送り下さい。
『銀花』 編集部
渋谷区代々木3-22-7 文化出版局 季刊 『銀花』 編集部まで

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