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08. August 08

【コラム】コウガイビルから猛虎魂を感じる~阪神が優勝する年に異常発生するあの生き物の話~

Photo_2  そろそろうちにもアレがやってくる季節である。
 “アレ”というのは,頭がシュモクザメみたいに矢印の形状で,全体的にぬめぬめっとして紐の様にひょろ長いヒルのような生き物である。
 この生き物の正体はコウガイビルといわれる扁形動物の仲間である。しばしば“KGB”という愛称で呼ばれることもある。
 私は子供の頃から図鑑などで調べてこの存在を知っていた。私と同じようにこの生き物のことを不思議に思っていた人たちもいるようで,ファンサイトまである。最近では『へんないきもの』という本の中や,民放の生き物系番組でその姿を見た人もたくさんいるだろう。
 コウガイビルと聞くと,発音だけでは思わず「郊外蛭」と漢字を当ててしまう人もいるかと思う。あるいは生き物に限定しなければ,郊外に林立するビル群だと思うかもしれない。しかし,あえて漢字で書くなら「笄蛭」である。読んで字の如く,昔の女性が頭に付けた髪飾りの「笄」(こうがい)に頭の形が似ていることから,和名ではこのように呼ばれる。しかし一点だけ正確ではない点があって,これはヒルと名がついているが「蛭」の仲間ではない。時折,新聞記事やNHKのニュースなどでも間違われるが,蛭やミミズは分類学上は環形動物に属する。口から肛門まで消化管で繋がり,筋肉組織もより発達した生き物だ。一方,蛭ではないコウガイビルは,頭に口も無ければ,尻尾の方に肛門もない。ではどこからエサを食べているのかというと,体の中央,つまり人間でいえばお腹のところに穴があり,そこから胃袋のような口吻状のものを出して,獲物を消化しながら体内に取り込むのである。
 コウガイビルは,わが国では2種類いて,一つは在来種で,全身真っ黒のクロイロコウガイビル。そしてもう一種類のは,外来種といわれるオオミスジコウガイビルといって,黄色のボディに黒い縦じま模様が3本入ったものである。こちらのほうは黒いのに比べると大型種で,長いものでは1メートルになるものもいる。姿があまりにもグロテスクなので人間には嫌われるが,蛭と違ってヒトの血を吸ったり噛んだりしないし,むしろナメクジなどの害虫を食べてくれるから,ガーデニングを楽しんでいるような人たちにとっては益虫である。しかも,黄色の方は,黒い縦じま模様まであり,猛虎党の私はなぜか親近感さえ湧く。同じ猛虎党の友人たちに写メールを送ったところ,気持ち悪がるどころか,さっそく“金本,新井,藤川最高や! コウガイビルも最高や!”,“JFKも最高や! KGB(コウガイビルの愛称)も最高や!”と返信が来た。
 うちでは6月,7月頃の湿気が多くなった季節の夕方に,庭の植木鉢の下や,日陰の置き石の蔭,ブロック塀のところで黒いのを見かけるようになる。しかし過去に何度か黄色の方をたくさん見かけた年があった。それは2003年と2005年である。つまり阪神が優勝する年には,必ず黄色い方がたくさん現れるのである。時期もちょうど「M」マジックが点灯する7月,8月頃である。
 そろそろうちの庭に現れる季節なので,今年はたぶん黄色に縦じまのコウガイビル君たちがたくさん見れるだろう。
(画像はwikipediaより転載)

※コウガイビルをもっと詳しく見たい方は
 グーグル画像検索→コウガイビル 
 

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