【名古屋芸術大学・芸術療法講座】2008年度シラバス
【名古屋芸術大学・芸術療法講座】2008年度シラバス
「美術史から考察する疾病論・医学概論」
古代ギリシャにおいて芸術と医学は、アルスメディカという言葉が示すとおり、「人間への眼差し」という臨床学的な座標上では、互いが深く反響し合う関係にあったといえる。
このことを踏まえ、本講座では、西洋美術史と医学史のトピックを往来しながら、図像学の視点でそれぞれの時代の「病」像を抽出していく。また芸術というものが、人類史の中でいかに「病」と実践的に関わってきたかを再度考察し、今日の芸術療法の現場が抱える問題点や方向性についても模索する。
今年度は,昨年の受講生から要望の多かった映画,映像作品についても多様な作品を取り上げ,最終講義では映像作品の上映を行う予定である。
【授業計画と内容】
1)ガイダンス 美術図像学から疾病論、医学概論を読み解くことの意義、今日の芸術療法との関わりについて
2)古代ギリシャ・ローマ美術とヒポクラテス医学(1)
~「病」の起源~
3)古代ギリシャ・ローマ美術とヒポクラテス医学(2)
~「ホスピタル」の登場~
4)ルネサンス絵画に描かれた医師像と患者像
5)キリスト教絵画における「病」と「手当て」の概念
~ナーシングの確立~
6)戦争群像画におけるカタルシス
~回復装置として機能する解毒療法~
7)ラファエル前派に描かれた恍惚の女性像
~「卒倒」「昏睡」の美学と麻酔学の関わり~
8)西洋カリカチュアの中の「生・老・病・死」
~「死の舞踏」をめぐる「病」観~
9)後期印象派と表現主義に投影された精神と身体の変容
10)アウトサイダー・アートをめぐる「表現」と「病」の境界線
11)モダニズムにおける新しい「病」の概念
12)映像表現におけるメタファーとしての「病」
~SF, 特撮、ホラー映画における異形の病理学的分析~
13)身体表現と「病」
~舞踏,パフォーミングアーツ,障害者プロレスから見えてくる「表現」としての「病」~
14)映像作品の上映
15)総論、レポート課題についての概説
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