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12. April 08

【映画】『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪』撮影快調!

 現在、『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪』が7月の公開に向けて撮影中である。『ギララ』はもともと 1967年に松竹が制作した唯一の怪獣映画であり、表題になった宇宙怪獣ギララは、その秀逸なデザインからファンも多い。当時、東宝のゴジラ、そして大映のガメラが文字通り怪獣映画の二大看板であったが、ゴジラ、ガメラがその造形も含めて地球由来の生物である印象がするのに対して、一方のギララは、“宇宙怪獣”と別名が付く通り、ゴジラ、ガメラとは一線を画した地球外生物の雰囲気を放っている。
 まず全体のフォルムだが、尾があるので四ツ足の獣(けもの)のようでもあるにもかかわらず、大胸筋を意識した二足歩行型の堂々としたフォルムは、わが国における正統的な怪獣デザインの源流をいくものである。その上で、頭頚部にみられる鋭角的なデザインとセンサー状の突起物が、この時代(すなわち1960年代。つまりこの時代が近未来として描いた流線形の乗り物や透明アクリル・チューブのフリーウェイ、突起物が点滅する超高層ビルなども含めて象徴される世界観)が描いた宇宙、あるいは未来的イメージの一端を表している。そして近年、わが国の怪獣映画にインスパイアされたという触れ込みで多数公開されている諸外国のモンスター映画(ここでは怪獣映画という言葉は使わず、あえてモンスター映画と言うことにする)に登場する化け物たちと比較しても、それらよりも断然に優れて、既存の地球上のいかなる生物にもイメージを由来されることのない独創的なフォルムである。また、その昆虫のような眼は、血の通った生き物としての表情をうかがい知ることはできず、頭頂部の突起物からは何らかの破壊光線もしくは殺人光線などを発射するであろうことは容易に想像がつく。

 このギララを題材にして今リメイクされている、『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪』は、設定も新たにして制作されているもので、前作がシリアスな特撮怪獣映画であるのに対してこちらはB級コメディ路線のようである。
 表題にあるように、今年北海道で開催されるG7サミット会場である洞爺湖にギララが上陸して、各国首脳が右往左往という賑やかな展開になりそうだが、ここでキャストの一覧に目を通してみると、正直のところ一抹の不安もつきまとう。その不安とは、賑やかで楽しいはずの怪獣映画が、もしやロートル・サヨクだけが喜びそうな小ぢんまりした場末の政治風刺戯画にスケールダウンしないかということである。しかし監督の名前を見てその不安も吹き飛んでしまった。監督は、この手の作品には定評のある河崎実監督である。そのバカっぷりはすでに『日本以外全部沈没』、『ヅラ刑事』、『電エース』などで証明済みだ。あらゆるイデオロギーの相対化も無効にしてしまうほどに、バカまっしぐらに暴れて欲しい。

 ギララが復活したのだから、願わくば次はガッパも復活させて欲しい。そして再び熱海の温泉街に上陸して、熱海城と駅前の第一ビル(※注)を、昭和の怪獣らしく豪快なタコ殴りでぶっ壊してほしいものである。もうひとつ個人的な希望を言えば、現場レポーター役にはあの温泉愛好家の筑紫哲也氏を起用してもらいたい。そして筑紫氏には、黒煙を上げて燃えさかる熱海の温泉街をバックに、例のあの決めゼリフを一発かましてほしいのである。

※「第一ビル」とは熱海駅前に昭和30年代から鎮座する三連装の商業ビルである。
近頃の駅ビルは、どれもこれも皆スタイリッシュでポストモダン的デザインになり、たとえ怪獣映画でこのような建物が登場しても、その奇抜なデザインのせいで怪獣より目立ってしまったり、重量感に欠けていたりするのであるが、「第一ビル」は、重量感のある昔ながらの直方体のビルで、まさに怪獣に壊されるためだけに生まれてきたような建物である。

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