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20. März 08

【映画】林家しん平監督『深海獣レイゴー』遂に公開決定

 長い間待たされた、林家しん平監督の『深海獣レイゴー』の公開がついに決まった。
 この作品の公開の話題が持ち上がったのは、そもそも今から2年ほども前の話である。「戦艦大和」とゴジラ級の大怪獣が南方の海で死闘を繰り広げるという、特撮ファンならずともわくわくするような内容に、カルト系映画マニアの間でも相当の話題になっていた。
 当時のブログを閲覧すると、当初林家監督は、2005年冬の公開にこだわっていたのがよくわかる。その理由は、この時期公開されて大ヒットした東映映画『男たちの大和』にぶつけたかったからだ。『男たちの大和』は製作費50億以上の大作で、しかも尾道に仮設した実寸大の「戦艦大和」のセットが度肝を抜き、また、呉に「大和」の博物館ができるなど、この年は何かと「大和」の話題がつきなかった。そのような流れの中で、同じ時期に、方や製作費50億の一大スペクタクル、そして方や職人的手作り感のある自主制作映画が、双方われわれ日本人にとってもっとも象徴的存在である「戦艦大和」をテーマにした作品として同時期に公開されたとしたら、それはそれで面白いと思った。
 この2つの作品は、当たり前だが製作費は比べ物にならない。そもそもロードショー作品と自主制作映画をスケールで比較しても無意味だ。ならばこの2つの作品を並べた時に比較されるべきものは、言うまでもなく、「大和」へのこだわり一点だけである。その点、『男たちの大和』は、史実をモティーフにしているわけだから、実寸大「大和」の荘厳な量感・質感を堪能できるかわりに、米帝にボコられる悲劇的な「大和」の姿ももれなくおまけに付いてくる。しかも、その後何100年もたってから未来の地球人にサルベージされ、おまけに波動エンジンを実装されて宇宙へ旅立つ、などということももちろんない。「大和」の悲惨なこの結末を知りつつも『男たちの大和』を見るという行為は、ある意味、「大和」や「大和」の乗組員への鎮魂の意を捧げる行為でもあるのだ。それに対し『レイゴー』の方は、「大和」に関する史実的設定はなされるものの、ストーリー自体は監督の創作であるから、どんな「大和」が登場して、どのように大怪獣と闘うのか、という楽しみが広がる。(荒巻義雄の架空戦記に出てくるような無敵の大和が登場するのか?)
 
 そんな待ちに待たされた『深海獣レイゴー』が公開される。作品を見る前からあまりいろいろと言えないが、俳優陣も味があり、クリエイターも秀逸な面々が集まっているので怪獣造形もある程度期待できる。ストーリーにしても、「戦艦大和」が南方の海で大怪獣と闘うという奇想天外なもので実に楽しい。だとすると、この作品の賛否が分かれるポイントは、「大和」の象徴である94式三連装46サンチ砲が豪快にカッコよく咆哮をあげるか否かの一点にある。これこそが、この作品の最終防衛ラインだ。

林家しん平監督『深海獣レイゴー』
6月12日(木)より公開(場所・北沢タウンホール)

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Kommentare

井上さん、初めまして林家しん平です。
レイゴーを気にかけてくださってありがとうございます。
井上さんが何処に御住まいか分かりませんが、もし時間がありましたら是非、北沢タウンホールにお越し下さい。
 もし来られましたら声をかけて下さい、当日は髪の毛を水色にしている予定なので見間違える事は無いと思います。
 突然のメールで失礼いたしました、会えるのを楽しみにしております。

Verfasst von: 林家しん平 | 12. April 08 21:46 Uhr

林家しん平 様

林家監督、こちらこそはじめまして。
ブログにご訪問いただき、私の拙稿までご覧いただき、恐縮しております。
と同時に、制作者の方から直接このようなメッセージをいただけたことを大変嬉しく思います。

レイゴーは、原題が「レイゴーVS大和」の頃からとても楽しみにしておりました。
6月12日の上映には必ず駆けつけますので、監督とお会いできるのも楽しみしております。
ぜひ会場が大盛況になりますよう、お祈りします。

Verfasst von: 井上リサ | 13. April 08 12:29 Uhr

井上さん、ご存知かも知れませんがYouTubeで深海獣レイゴーで検索しますと最新の特報が観れますのでご覧下さい。
 明日wowowで大日本人が放映されますね、劇場では良い意味であっけに取られましたが録画して何度も見てみようと思います。 ではでは・・・

Verfasst von: 林家しん平 | 19. April 08 19:39 Uhr

林家監督、you tubeの貴重な情報など、ありがとうございました。
さっそく後ほど拝見させていただきます。

それから、松本監督の「大日本人」は私も劇場とDVDで2回拝見しました。
昭和の特撮へのオマージュとアイロニーが入り混じった、何とも複雑な作品でしたが、私は面白かったです。
こんな感想も書きました。
http://ringer.cocolog-nifty.com/kunst_und_medizin/2007/12/2007_5a6d.html

レイゴーの上映館がどんどん増えているようで、本当に楽しみですね。

Verfasst von: 井上リサ | 20. April 08 09:53 Uhr

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