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20. Februar 08

【名古屋芸術大学・芸術療法講座】2007年度追試問題

 名古屋芸術大学での私の講義「芸術療法講座」で、出席日数が足りない学生、またはレポートの成績があまりよくなかった学生に対し、以下のような追試を受けてもらった。
 本来なら、全員に同じ追試問題を課すところであるが、今回は私なりに一工夫してみた。見れば分かるとおり、全員に異なった内容の追試問題を出題したのである。これは、過去に私の各講義の中で実施した小レポートやワークショップなどからそれぞれの学生個別の理解度などを測り、その上で、学生らが創作活動の過程で何に一番興味を持っているのかを、深く考えてもらうためのものである。
 以下、主な追試問題をリストアップする。

【名古屋芸術大学・芸術療法講座】 「疾病論」 2007年度追試問題

追試問題(1)「疾病論」
以下の映像作品の中では、臨床学的に類似性のある空想上の血液疾患が登場します。以下の作品を視聴し、この3つの作品に登場する「病」の相違点、そしてこの空想上の血液疾患は何を象徴しているのかを比較し批評して下さい。
エンキ・ビラル監督『ティコムーン』(1997年)
岡本喜八監督『ブルー・クリスマス』(1978年)
実写版『マグマ大使』第17話~第20話(1966年)
400字×10(4000字)以上

追試問題(2)「ウルトラセブンと戦後シュルレアリスム」
あなたは、芸術療法講座第9回「シュルレアリスム」の講義で提出したレポートで、『ウルトラセブン』の「狙われた町」を取り上げ、古いアパートの中でちゃぶ台に向き合って座っている等身大のウルトラセブンとメトロン星人のカットがシュールであると書いていますが、このテーマをさらに掘り下げて下さい。
『ウルトラセブン』が放送されたのは1960年代であり、わが国の前衛的芸術運動、たとえばダダイズム、シュルレアリスム、暗黒舞踏といったものが興った時期と重なり、当時『ウルトラセブン』の制作現場に関わっていた監督の実相寺昭雄、前衛彫刻家の成田亨なども昭和の前衛芸術運動、思想運動に多大な影響を受けています。
そこで、『ウルトラセブン』のエピソードの中からシュールと思われるカメラワークや、成田亨がデザインした怪獣・星人などの造形をいくつか取り上げ、その造形やカメラワークの中に60年代を象徴する社会病理や心の闇がどのように表現されているか書いて下さい。
400字×10(4000字)以上

追試問題(3)「新感覚食品における新しい身体性とシュルレアリスム」
 あなたは、芸術療法講座第10回講義「シュルレアリスム」でのレポートで、「ねるねるねーるね」(クラシエフーズ)などのいわゆるケミカル系菓子について、菓子への食欲よりも菓子を介した化学実験のような要素があることがシュールであると述べています。
 これを踏まえて、この菓子と同業他社のケミカル系菓子類を比較・分析し、その食感から得られる身体感覚(味覚・臭覚・その他口腔内で感じる様々な感覚)や、食品でありながら「食べる」という行為以外の要素が消費者に好評を得ている理由を論説して下さい。
400字×10(4000字)以上
 
追試問題(4)「患者・障害者・被介護者におけるQOL~ファッション・宝飾デザインの現場からのアプローチ」
 あなたは、芸術療法講座第13回講義でのレポートで、宝飾デザインの制作をとおして患者とコミュニケーションをとりたい、と書いていますが、このテーマをさらに掘り下げて下さい。
 具体的には、病人、障害者、介護を受けている高齢者が、療養生活の中で服飾、宝飾などのファッションに興味を持つこと、またはそれを身につけることは、彼らのQOL(生活の質)の向上にどのような作用を与えるのか、具体的な事例を2例以上抽出して分析し、レポートを書いて下さい。
400字×10(4000字)以上

追試問題(5)『「お笑い」とシュルレアリスム』
 あなたは、「芸術療法講座第10回講義」シュルレアリスムのレポートで、お笑い芸人のムーディー勝山をとりあげ、彼の独特の芸風、すなわち何度も同じフレーズが反復されるなどの理由でシュールであると述べています。
 昨今の新人芸人には、ムーディー勝山の他にも反復的な芸風を得意とする芸人が多く、またそれが広く大衆から受け入れられています。これらの芸人が多く輩出される社会的背景なども含め、なぜそれがシュールな笑いへと帰結するのか述べて下さい。
400字×10(4000字)以上

追試問題(6)『障害者スポーツにおける「病」と「身体」』
 あなたは、「芸術療法講座第11回講義」アウトサイダーアートの中で視聴した障害者プロレス団体「ドッグレッグス」の映像について、他の格闘技のような観客が一体となる臨場感(ライブ感)に欠けていると述べています。その理由として、観客が介入できる余地が欠けていることをあげていますが、ではなぜ「ドッグレッグス」の試合ではそのように感じるのか、またそれは障害者であるという理由でそう感じるのかなどを、他の障害者競技、たとえば全世界的に認知されている「パラリンピック」などとも比較しながら説明して下さい。
400字×10枚(4000字)

追試問題(7)『「食」という行為をめぐるシュルレアリスム』
 あなたは、「芸術療法講座第10回講義」シュルレアリスムのレポートで、カップラーメンがシュールであると述べています。その理由として、乾燥した状態から食べ物へと形状が変化することを理由にあげています。周知のとおりわが国が開発したこれらのインスタント技術は、宇宙食や自衛隊などの保存食にも応用され今日にいたりますが、今後これらの技術がさらに進んでいくとしたら、人間の「食」における身体感覚にどのような影響をもたらすと思うか、予測して下さい。
400字×10枚(4000字)

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