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2008年11月17日 (月)

カナダの医学史研究者からメールが届く

 カナダで現在,輸液史(点滴の歴史)に関わった医学者たちの評伝を編集しているというドクターからメールをいただく。その中でリンガー(Sydney Ringer, 1835-1910)についての資料と写真を借りたいとのこと。おそらく,私が医学史の研究者用に開設しているWebかブログ経由でメールを下さったようだ。

リンガーについては以下のwebページを参照

リンガー研究web日本語版

http://www.t3.rim.or.jp/~lisalabo/Ringer-J/SydneyRinger-(J).html
リンガー研究web英語版
http://www.t3.rim.or.jp/~lisalabo/Ringer/S.Ringer.html

 リンガーは,点滴やその他,医療現場で実にいろいろな分野で汎用されているリンゲル液を発明したイギリスの生理学者である。リンガーについては医学史の分野における私の研究分野の一つであり,リンガーのフィールドワークを始めてからもう足かけ15年近くなる。近年ではネットの普及で,このように各国の研究者が私のwebページを見ていて,いろいろな大学の研究者からたくさんのメールをいただいている。
 私の長年の研究のために史料を提供して下さっているリンガー家のご親族の皆さんも,もともとは私のwebページをグーグルやYahooなどで偶然に見つけて,連絡を下さったのが出会いのきっかけであるから,ネットの創世記からネットに積極的に関わってきた私は,近年なにかと悪い部分が強調されているネットというツールに関しては,「悪い部分」以上の有用性をリアリティをもって感じている。なぜなら,今現在こうして私のwebページが,世界各地にいる輸液史やリンガー研究者らの窓口となりえているからである。これはネットがなかった時代には考えられなかったことであり,お互いの学術交流をワールドワイドにしてくれたのもネットというツールのおかげである。
 もちろん,学会などで渡欧した際に,そこで偶然出会った興味深い研究者たちもたくさんいるわけで,ネットがすべてとは言わないが,確率論的に,ネットを有用に使うことによって,本当に必要な人材や才能とダイレクトに繋がるようになったのも事実である。あとは運用する人間のバランスということだ。
 さて,今回連絡を下さったドクターは,カナダのウィニペグという所に勤務されている。私はまだ一度もカナダへは行ったことがないので,カナダの地理についてはとても疎い。興味があったのでついでにウィニペグについて調べてみると,これがけっこう日本にも馴染みのあるエピソードがあったりして,もし医学史関連で学会か何かが開かれれば,ちょっと行ってみたくなった。
 ウィニペグは,マニトバ州の州都で,ちょうど東部と西部を結ぶ起点にある。日本でもお馴染みの「クマのぷーさん」のモデルになったクマがいたそうである。それから東京の世田谷区と友好都市を結んでいる。またここの町にはテリー・フォックスというカナダの国民的英雄がいて,町に銅像まで建っている。このカナダの英雄テリー・フォックスの生い立ちは実に興味深い。彼は片足を癌のため切断するという不幸に見舞われたが,この癌の研究費を集めるために義足を装着してカナダ横断を試みた人である。残念ながら病気の進行により達成はできなかったが,全国から36億カナダドルの募金が集まったそうだ。テリー・フォックスの,後世の研究のために自らが人柱になるという行為が,多くの国民の共感を生んだのであろう。
 こんなウィニペグという町についての短い印象を添えてこのドクターには,資料の提供の快諾の意を伝えた。

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